キャラクターの人生に介入する方法
記事の要点:ミリシタをインストールして入手した投票券で【ピュア?令嬢役】の【木下ひなた】に投票してください。
◆現在アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(以降「ミリシタ」と記載)というアプリでは『MILLION C@STING!!!』というプレイヤー参加型の投票企画が開催中です。
この記事はスマートフォンをお持ちかもしれない有権者のあなた様に読んでいただく事を目的に作成いたしました。
◆木下ひなた とは?
木下ひなた┃ミリシタ バンダイナムコエンターテインメント公式サイト
◆何故【木下ひなた】を【ピュア?令嬢役】に推薦するのか?
①「愛や恋」に関する役を演じてほしい
木下ひなたはアイドルになる為に北海道から単身上京して来た14歳の女の子です。上記画像は2014年開催イベントでの発言です。
「あたし、愛とか恋とか、よくわからんけども、じいちゃんやばあちゃんが好きっていうのと違う好きがあるのは、わかってるんさ。」
続いて、ひなたちゃんです♪#ミリシタ #ミリシタ4コマ #4コマ #4コマ漫画 pic.twitter.com/yOA8WJiDsC
— ミリオンライブ! シアターデイズ【公式】 (@imasml_theater) 2023年2月17日
木下ひなたは「まだ愛や恋が分からない、けれど存在は知っている」女の子です。これは今年発表された4コマでも継続されています。
今回彼女を推薦しようとしている【ピュア?令嬢】は物語の裏で婚約破棄を画策し、主役令嬢に嫌がらせをしてまで王子を籠絡する「愛や恋」に関する悪女の役です。
ハッキリ言って【木下ひなた】本人とは正反対の役柄です。でもだからこそ、彼女が完璧に悪女を演じたら非常に面白いドラマが生まれると思いませんか?
私は【ピュア?令嬢役】を通して彼女に「愛や恋」には様々な形があると知ってほしいのです。
②「悪役の美学」を体得してほしい
木下ひなたの人生を語る上で外せない大切な役が「悪徳組長」です。
以前の投票企画によって決定した任侠映画の悪役は「苦手な演技と向き合い成長してほしい」というプロデューサー達の願いが実現した配役でした。
しかしドラマCD発売前に公開された前日譚にて彼女は『悪徳組長という仕事は他者からの悪印象によって指名されたのではと心配で泣きそうになった』と打ち明けてきたのです。
ですが彼女はこう続けます。
・Pが「皆はひなたの色んな顔が見たいんだよ」と言ってくれたから納得して頑張れた。
・今まで劇場の皆と戦うのは嫌だったけど、敵やライバルになる事で皆の素敵な所を引き立ててあげられると思える様になった。
全文は是非リンク先で確認していただきたいのですが、私が1番感動したのは
「だって映画は悪役が憎ったらしい程、良いもんがカッコ良く見えるもんだからな。」
という言葉です。永遠に同じ時空を繰り返すソーシャルゲームにおいて、キャラクターの成長表現は一進一退になりがちです。それでもミリオンライブ!運営は木下ひなたを人として認めて立派な成長を描いてくれました。
かつて「人の不幸を喜ぶ恐ろしい魔女役」の気持ちが分からず、役の降板を検討するまで自らを追い詰めた少女の姿はもう何処にもありません。
ここまでお読みいただいたあなた様になら、もうお分かりいただけたと思います。『MILLION C@STING!!!』はキャラクターの人生に介入できる企画なのです。
木下ひなたは「悪徳組長役」を通して「フィクション作品における悪役の存在意義」を自ら獲得しました。
私は今回の【ピュア?令嬢役】を演じてもらう事で、更に演技に対しての1歩進んだ新たなる知見、例えば【悪役の美学】等を体得してほしいのです。
③方言訛りを活かせる配役である
劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』(以降「ムビマス」と記載)というアニメ映画をご存知でしょうか?この作品にはTVアニメ『THE IDOLM@STER』から13人のアイドルと『ミリオンライブ!』から7人のバックダンサーが登場します。
このバックダンサー選出理由がムビマスのスタッフコメンタリーで言及されている事を知っていますか?以下は本編開始から14分程経過した頃の聞き取りです。
「だって最初ねキャラ選ぶ時もね、(ミリオンライブ!開始前の)本当にその少ない資料の中からどの子にしましょうかって言う所からね、あったりしましたよね」
「なんかねぇ見た目だけでこう、木下ひなたちゃんとか……」
「『この子とか小っちゃいから後輩っぽくないすか?』とか言ったら『いや、その子訛ってるんで……』って、あぁそりゃ駄目だなって」(スタッフの笑い声)
正直この会話を聞いた時、私はとても悲しい気持ちになりました。制作過程でのエピソードである事は理解しています。ですが少なくともアイドルマスターのキャラクターは「人々に愛されるために生まれてきた」はずなのです。
愛されるため付与された個性を理由に人々から愛される機会を失うなんて、そんなの私は悲しいです。
最初期の木下ひなたは普段と違う話し方の演技に苦手意識を感じていました。しかし本人の努力や「悪徳組長役」の経験が演技への不安を取り除き、標準語でのお芝居を可能にしました。
そしてここからが重要なのですが【ピュア?令嬢役】に求められるのは「王子に対する表のピュアな顔」と「主役令嬢に対する裏の悪い顔」の二面性です。
木下ひなたは標準語と方言の両方で魅力的な芝居を披露できる女の子です。それを鑑みた【ピュア?令嬢役】の演技プランとして、
・表の顔では方言を用いて純粋な振りをしつつ、裏の顔は標準語で冷徹に振る舞うパターン
・表の顔では貴族階級のお嬢様らしく標準語を使いこなし、裏の顔は方言で悪態をつくパターン
・表裏両方の顔で丁寧な標準語を貫いているけれど、終盤の断罪イベントで全ての悪事をバラされ膝から崩れ落ちた後「仮面を付ける必要が無くなったから」方言で自供するパターン等々、無限の可能性が存在している事が分かります。
木下ひなたの方言は大切なチャームポイントの1つなのです。
④自身の魅力に自信を抱いてほしい
木下ひなたは元歌手だった祖母に憧れてアイドルを志した女の子です。
大好きなおばあちゃんの様なカッコいい姿を目指し日々努力する頑張り屋さんですが、その高い目標故に現時点の自分と比較して自己評価を低く見積もってしまう一面があります。
これは自らの美点を褒められた際に顕著なのですが、自己評価の低さ故に称賛をそのまま受け取れず物凄く恥ずかしがって照れてしまいがちです。
その性格自体は非常に愛らしく私は大好きなのですが、やはり木下ひなたには「木下ひなた自身の素晴らしさ」に大きな自信を持ってほしいのです。
こちらは昨年発表された「PROJECT IM@S 3.0 VISION」イメージPVです。
昔アイドルマスターというシリーズは「PROJECT IM@S 2nd VISION」発表後に発売した『THE IDOLM@STER 2』というゲーム以降、前作の基本設定より登場アイドル達の年齢を1歳成長させた事がありました。
まだ3.0 VISIONで木下ひなたが1歳成長すると公式から発表があった訳ではありません。しかし今後「ミリオンライブ!」のアイドル達が1歳成長する可能性は全く無いとも言い切れません。
15歳になった木下ひなたは自己評価が極端に低いままなのでしょうか。この先の人生もずっと照れて恥ずかしがるだけなのでしょうか。
ところで【ピュア?令嬢】は、一体どのように王子を籠絡して婚約破棄まで成立させたのでしょう?これは私の予想ですが【ピュア?令嬢】にはある程度自らの美貌で王子を懐柔できる算段があったのではと考えています。
私は木下ひなたが「自身の魅力に絶対の自信を持つ役」を演じ切る事で、それを達成したひなた自身にも大いなる自信を抱いてほしいのです。
自分に自信を持つ事は、木下ひなたの生涯を支え続けるお守りになるはずだからです。
⑤唯一無二の歌声
木下ひなたには高い演技の才能があります。そして類稀なる歌唱力があります。
もしも今回「悪役?令嬢テーマ」で【ピュア?令嬢役】に選ばれたならば、その圧倒的な表現力で新曲を彩ってくれると私は信じています。
◆どうやって投票するの?
『MILLION C@STING!!!』期間中、3月29日までミリシタ初回ログイン時には誰でも無料で100枚の投票券を入手可能です。これはどれだけ価値があるかと言うと
現在開催中の3回限定有償ガシャに付属する投票券の枚数と全く同じなのです。
今この瞬間あなたがミリシタを始める事には本当に重要な意味があります。
そして3月26日の20:59まで開催中のイベント報酬にもランキング順位に応じた投票券を入手可能です。10万位以内に入れば更に追加で150枚の投票券を入手可能ですし、累積pt報酬からも投票券をゲットできます。
タイミングの良い事に現在開催中のガシャは木下ひなたとひなたが憧れるアイドルの1人徳川まつり姫さんとの髪色変更ペアガシャです。
最上級に可愛いアイドル達と出会い、ついでに音ゲーをちょっと遊んで投票券まで貰えたら凄くお得じゃないですか?
【追記】①ゲーム内レベルを10に上げる、②メインコミュ2話を開放 が投票可能になる条件です。最初はすぐに経験値が溜まるのでレベルアップは簡単です!
どうかお願いします。
投票券が無料配布されるのは3月29日水曜日までなのです。投票可能期間は3月31日金曜日の23:59まであります。
この記事を読んでいるかもしれないスマホにミリシタを入れて【ピュア?令嬢役】の【木下ひなた】に投票していただけると嬉しいです。
また、必ずしも投票で1位にならなければ全く意味が無いという訳でもありません。以下は週刊ファミ通2023年3月16日号(No.1787)に掲載された『ミリシタ』企画・開発プロデューサーの柿沢高弘氏のインタビューから引用した文章です。
(前略)そういうところにもプロデューサーさんたちの声というのは影響していたりするのでしょうか?
柿沢 めちゃくちゃ影響しています。たとえば、いま『ミリシタ』で"MILLION C@STING!!!"を実施させていただいていますが、この期間中はふだん以上にプロデューサーさんが「このアイドルにはこういう魅力があるんです!」とアピールしてくださっています。そういうのを見て、「確かにそういう魅力もあるけど、いままでちゃんと表現できていたかな?」と振り返ったり、シナリオ班やビジュアル班と話し合ったり、新しい提案をしたりしています。
つまり、あなたの投票は木下ひなたという無限の可能性を秘めたアイドルの人生に、確実に大きな変化をもたらしてくれるのです。
17周年を迎え300人以上のアイドルが登場するアイドルマスターという世界で、あなたが【木下ひなた】に出会えた事は奇跡のような確率です。木下ひなたを知っていただきありがとうございます。
そしてもしよろしければ、これからも木下ひなたと10周年を迎える事ができた『ミリオンライブ!』を見守っていただけると私はとても嬉しいです。ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!
【ピュア?令嬢役】の【木下ひなた】に投票をどうぞよろしくお願いします!
応援タグ #ピュア令嬢ひなた略してピなた
9◆踊るような心地で 制作録
◆ニコマス動画を作ったので久々のブログ更新です。大体時系列順に書きます。
◆大好きな漫画のアニメ化が決まりOP楽曲の視聴が公開されたのは4か月前。
その頃はオチをクルリウタのスペシャルアピールにする事しか思いつきませんでした。なので『夜想令嬢のエドクリが新横浜に来たら大変な目に遭うんだろうなぁ』とか『フェス限SSR育桃ヴァンパイアも絡められないかなぁ』とか色々考えたけど纏まらず、アニメ第1話放送まで脳内の片隅に置いたままでした。
そしたらコレよ!
最高のOP映像とフルスロットルの本編、原作を読んでいないと分からない神ED等々を浴びた結果『TC03モチーフあかしほ動画を作ろう!』と動画の方向性がバシッと決まり何が何でも完成させたくなりました。
◆実は2020年以降の動画はiPhone8の画面録画で収録したデータをPCに移した後、HandBrakeというソフトで変換してからAviUtlで編集しています。
上の動画を作る際に酷い音ズレで悩んでいたのですがTwitterの親切な方々のおかげで投稿にたどり着けました。皆様本当ありがとうございました。
当時の私が何やら決めたらしい設定をそのまま使用しているので原理や仕組みは一切理解していませんが何とかなっているのでオススメです。
◆イントロとAメロはBlack★Partyです。間奏の管楽器ダンスが可愛かったのでモノクロに変換して頭に持ってきました。Black★Party自体がモノクロ演出のあるMVなので、そのまま使ったと見せかけて実は手が込んでる!みたいな驚きが最初にあったら良いなぁと。
しかしモノクロのままだと味気ないのも事実なので上からショッキングピンクと色相だけ変えた紫を合成モード【差分】で斜めに重ねました。手探りの作業だったので「先に白背景で土台を作って後から色をクリッピングで被せる」という回りくどい方法を取ってしまった結果、不自然な色の境目が発生していた事に気付けませんでした。
上の画像の赤丸部分です。書き出しも終わった最終確認段階で気付いて焦ったものの、投稿用に再変換したら画質の低下で目立たなくなりました。次回は気を付けよう!
◆楽曲紹介のテロップは青字に白の縁取りを付けた後クロマキーで青を抜いて作りました。文字の大きさは任意の制御文字を入力して部分的に変えられます。全部ネットで検索して知りました、ありがとうAviUtlの先駆者達。
◆今回の歌詞表示は一見シンプルですが自力で考えるのと途中からの修正が大変でした。最初は白文字の透明度を上げただけのテロップだったのですが合成モードを弄っている最中『どうやらオーバーレイだと文字が輝いて綺麗だな?』と気付き両者の良いとこ取りをする為この形に落ち着きました。
通常の合成モードのみだと文字がメインになってアイドルちゃんが見えなくなってしまう、透明度を上げただけの白文字は画面が色あせてダサい。
オーバーレイのみでも綺麗だけど背景が真っ黒の時に歌詞が消えてしまう、ならば両方重ねると常に歌詞が程良く表示されキラキラしてる!解決!
……というのに気付いたのが画像のこの辺りだったので遡って修正するのが大変でした。コピペして透明度と合成モードを変えるだけなのでまだマシな方。
後から観返すとまだアイドルちゃんの顔が見えにくい所があるので、次に同じ様なテロップをつける時はもっと透明度を弄ろうかな。
◆Aメロには昏き星、遠い月の「私の視界、赫く染まった」や、きゅんパイアの「ルビーの瞳」も使っています。別の曲でもステージが同じなので違和感は少なかったはず。前者は地味ですが新月っぽくなる様に月だけ暗くしています。
アニメ『#吸血鬼すぐ死ぬ』福山潤さんの歌うOP『DIES IN NO TIME』先行配信中!福山さんと松井洋平の共作詞の本作、お洒落なイントロからの歌が始まりすぐ「き…しんだー!扉〜!」と「き」ゅうけつき「すぐしぬ」と「扉」でドラルクとロナルドの物語の始まりなどの仕掛けも沢山!是非探してください! https://t.co/EgLMDTNE2E
— 松井洋平 (@y_matwee) 2021年10月5日
漢字で「軋んだ」ってかくと「しんだ」が隠れてます。
— 松井洋平 (@y_matwee) 2021年10月5日
冒頭の「軋んだ」は作詞家さんのツイートを読んで分かりやすく動きを付けてみました。また歌詞の頭を抜き出すと【新横浜】の縦読みになる事を他の方のツイートで知ったので、動画内では該当文字の大きさを極端に変えました。
一瞬だけ表示されるシルエット画像。歌詞のsilhouetteから思い出したMVがdear…のラストだったので2人分録画して茜ちゃん側を左右反転して合成しました。志保ちゃんだと前髪がアシンメトリーなので不自然に見えるからです。
画像は該当シーンのラストをクリップボード経由でSAIに貼り自分で上からなぞって描きました。正確になぞると形がもったりするので単体でも見栄えがするように顔回りやウエスト等を適宜足し引きしています。後から思いましたが背景は単色じゃなくステージをそのまま使った方が画面の情報量が増えて良かったかも。
◆Aメロの後半ではマイディアヴァンパイアと「誰ソ彼ノ淵」配役衣装を切り替えて今回の趣旨を強調しています。マイディアヴァンパイアの色は逆にしてもしっくり来るのですが『互いの色を身に付ける』という概念が私は大好きなので相手のアイドルカラーに近しい衣装を着てもらいました。
◆Bメロ前半に上から重ねている景色はTC03公式視聴動画のイントロ部分から持って来ました。茜ちゃんにライアー・ルージュの「一瞬で奪われちゃったのかな…」を踊ってもらったのは歌詞に合わせた振付であり尚且つ「あかしほ」である事をより強調する為です。
もう1つはDeep,Deep Blueの「ぼくはこの瞳で確かめたくて」をソロMVで撮影して使用しました。背景に熱帯魚が見えるけど孤島に流れ着く直前ならそんな事も多分あるでしょう。茜ちゃんと言えばループ物なので使用楽曲の歌詞にも合いますし。
上手くシンクロするダンスが見つからなければコミュ映像も使う予定でした。
志保ちゃんにはクルリウタの「首に手を かけて」と「本音(こえ)を消した」を踊ってもらっています。どちらも館陣営の歌唱パートで歌詞の後ろ向きな雰囲気に合わせました。偶然だったけど茜ちゃんが目を閉じるのと志保ちゃんが目を開けるタイミングが揃っててお気に入りです。ここのテロップが上下反転しているのはメインの歌詞では無いのと、使われている漢字のインパクトを弱める為です。
◆Bメロ後半はTA01創造は始まりの風を連れてサビ前の敵陣営パート「I believe…道を創造するんだ」と「You believe…きっと繋がるWish」です。カメラワークも2人しか映らない上にステージライトの色が相手の衣装のアナザーカラーに近いという最高のMVを持って来れました。YouTubeの公式MV巡回中に見つけた偶然の産物でしたが速度調整でダンスシンクロしたお気に入りシーンです。
個人的にはグリマスのシナリオで茜ちゃんが「往生際が悪いな…。」と言われていて歌詞との親和性が上がったのも好きなポイント。
◆サビ直前の溜めはほぼ無音と効果音なので困っていたのですが、創造MVに大変使いやすい足元のカットがあったので有難く使用させてもらいました。効果音部分はSuper Duperの最初のサビをソロMVで撮影して並べています。振付は勿論元ネタOP映像のオマージュです。
◆サビ前半は成長Chu→LOVER!!です。底抜けに明るいデュオMVなのとlittle trip around the wolrdだとテーマに関係無いオブジェクトがたくさん入ってしまう為です。またどのMVもそうですが速度変更で振付が使えるか確認した後は動画本編で映るアイドルに偏りが無いよう立ち位置を逆にして撮影し直しています。
fruity loveの部分は元ネタOPで1番大好きなシーンなので構図が似ているMVを使いました。だってあなたはプリンセスの該当する振付は2回あるのですが、1回目だとカメラがアップでも振りの溜めが短いのでラスサビの方を使っています。またこの箇所はグリマス時代の周年衣装を着てもらう事で2人がこれまで積み重ねた歩みを表現しました。
先に背景図形を斜めクリッピングで調整してから各衣装MVをクリッピングする事で疑似シーンチェンジを作りました。エモくしたかったのと衣装の切り替えを分かりやすくする為に、それぞれ下記の単色背景を透明度50でクリッピングしています。
プロル 濃い橙色 スクリーン
グレブル 濃い藤色 オーバーレイ
パルノワ 黄色い蓬色 オーバーレイ
ロイスタ 白っぽい橙色 オーバーレイ
◆実は元々タイトルはラスサビの「踊るような心地のままで」にするつもりでした。これは歌詞の続きが
踊るような心地のままでMEMENTO MORI
出会えたことを素晴らしく感じる
という様にめちゃめちゃ最高だったので是非とも引用したかったのですが、スマホ版のニコ動ランキングでは1行に表示できる文字が少なく変な所で改行されるのを防ぐ為に今回は諦めました。他の環境ではまた違ってきそうですが有難い事に最高47位まで上がれたみたいなので良しとします。観てくださった方々ありがとうございます!
ちなみにメメント・モリには「死を想え」に加えて「今を楽しめ」という意味もあるそうです。マジで歌詞が最高。
◆今回1番収録が大変だったのは間違いなくこのミニゲームです。歌詞に合わせて茜ちゃんが志保ちゃんにブッ飛ばされるシーンを2つも撮らねばならない上、超ビーチバレーは普通に遊ぶとプレイヤーが勝ってしまうので何度も何度も流星高校・プリン代表でES機械工業高校に挑み続けました。茜ちゃんは主人公役なので当然プレイヤー側です。
動画に使うシーンとして『相手の必殺技を喰らって負ける』方が映えるので技無しで吹っ飛ばされたり先に11点取られて負けるパターンは没にしました。一度だけ10対10の状態から志保ちゃんの必殺技が茜ちゃんに当たって負けるというこれ以上無い試合があったのですが油断して録画できていませんでした。あの時は本当に悲しかった……。
◆何故か音ゲー内で格ゲーが遊べる事でお馴染みミリ女ファイト!ですが、私は格ゲーが苦手なので操作がとにかく大変でした。偶然ですが歌詞に合わせて画面外のデイジー姉妹が茜ちゃんを回復してあげてますね。またフリーモードのデイジー姉妹でバイオレット姉妹に挑んでも、志保ちゃんがどのタイミングで来てくれるかはランダムの様なので少しズルをして「必殺技で茜ちゃんが倒されるシーン」と「志保ちゃんの勝利台詞」は別の試合映像を使っています。
ここの歌詞のみ「しねきゃぷしょん」というフリーフォントでNetflix風の縦字幕を意識しています。明確なギャグパートを表現する為でしたがミリ女ファイト!の方は志保ちゃんに被ってて見え辛いですね……これは必殺技を確実に撃ってもらう為に志保ちゃん側へ近寄り過ぎてしまったせいです。
余談ですが元ネタのアニメ本編にて格ゲー風のギャグシーンがあったり(第3話1本目)今やネットミームと化したY談おじさんの催眠術により会話できなくなったキャラクター達の台詞が「しねきゃぷしょん」で表示されていたり(第7話1本目)原作通りの前者は兎も角なんか知らん間に親和性が上がっててウケますね。
◆サビの残りは再びBlack★Partyで「ロンリー ロンリー 〜 私がお相手しましょうか?」の辺りです。細かく立ち位置を逆にして録画したパートであり歌詞表示にも言葉遊びを反映しています。
衣装はさっきの続きなので聖ミリオン女学園の制服です。また途中で切り替わるピュアワンピースという衣装は全ミリオンライブ!プロデューサーの投票によりアイドル毎に決定した衣装で任意のアイドル同士がお揃いで着られるのは大変珍しいので使用しました。
◆ニコマス出身者なら皆が大好きな連続アピール、元ネタOPでも音に合わせたカメラの切り替えがあるので使うならここだろうと気合い入れて収録しました。どれもデュオ曲であり身体の一部が触れ合う事を条件に選んでいます。そして特に2人の魅力を見せつける事が最重要なので上側に表示していた歌詞は早々に消しています。衣装はそれぞれ
スターライト・プリズム LTF03 Starlight Melody 専用衣装
鈴猫花浴衣、空猫珈琲店しっぽコーデ 猫繋がりの個人衣装
クレシェンドグリッター LTH03 クレシェンドブルー 専用衣装
メリー・ドリームナイト 共通衣装ですが今回はグリマスのイベント「取り戻せ!サンタたちのプリンセス」を意識して2人に着てもらいました。
また録画時はノーツ速度を最大まで上げるとアピール後にノーツが降ってくる時間をギリギリまで引き延ばせます。撮り終わったら必ず速度設定を元に戻しましょう。通常プレイ時に大変な事になります。
このオチを作りたかった!
◆ミリシタのカメラの高さはアイドルの身長によって決まります。今回の場合は背後で志保ちゃんに分身してもらう為、立ち位置を交代しつつ志保ちゃんと身長が同じ美希に立ってもらいました。相方の衣装は水着系にすると画面への干渉を抑えられます。2つの録画データを並べて片方を斜めクリッピングで使いたい部分のみ残し、境目が目立たなくなる様ボカして合成すれば完成です。
こっちの方が自撮りっぽいですね。
◆初めてマトモに作ったサムネイルです。ミリシタのグラビアスタジオにてクロマキー用としか思えない単色背景を使い、最近実装された縦画面モードで撮影したスクショをSAIとAviUtlで合成しました。背景は情報量を増やしつつアイドルちゃんの邪魔にならない様、本編からステージシーンを抜き出しボカして使用しています。
こちらの動画のサムネイルを参考にさせていただきました。
◆作業フォルダーです。Bメロ辺りから中身がゴチャついてきたので個別に分けたのが丸分かりですね。変換前というフォルダーはスマホから持ってきた録画データの格納場所です。94tst.aviはMVの再生速度などを変更した際に一部だけ書き出して確認する為の保存先です。AviUtlの再生ウィンドウでは動画オブジェクトの境目が来るたびに固まってしまいダンスシンクロの確認が難しいからです。穴埋め.pngはBメロ後半直前の歌詞が先行している部分に後付で入れたのですが、何回も観ているとやっぱり不自然な気がするのでやめた方が良かったかも。
また今回の使用楽曲は4拍子ですが歌詞の頭と1拍目が一致していないのでOP映像の切り替わりを目安に作業しています。テキストオブジェクトに文字を入れるとTL上の簡易メモになるので凄く便利。
これはテロップを入れる最終段階のTLです。時間が無かったので一気に打ち込みましたが作業中にAviUtl上の動作がカク付き始めたので私の環境ではこれが限界なのかもしれません。MV部分の.aviを全部繋げて書き出して1つのオブジェクトにしていたらもう少し軽かったかも?
◆今回は約1年ぶりの動画作成でしたが年々出来る事が増えてきて凄く嬉しいです。もっと色々作れるように頑張りたいです。ブログも頻繁に更新できたら良いんですけど文章を書くって本当に難しいですね……。固い文体ではないのに形にするのが大変でした。
最後になりますが再生や広告、マイリスやコメントをしてくださった方々、Twitterで感想を呟いてくださった方々、こうしてブログにまで足を運んで来てくださった方々に感謝いたします。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
1◆もしも15分後に 備忘録
◆先日の9月10日、ミントガムP主催の投稿祭にて憧れのニコマスPデビュー致しました。こと動画に関しては普段の鳥頭に拍車がかかるため、日記兼備忘録を書いて未来の自分と情報共有しようと思います。
サムネでネタ元が分かったファンの方、いらっしゃいましたら是非私と語り合いましょう。
◆作業時間は約20時間。元々別の曲で作ろうと温めていた案があったのですが
本命曲BPM:118(シンクロメインではないが欲しい素材が現時点で無いため捏造する必要がある)
第2候補BPM:100(シンクロメイン&動画に合わせた訳を考える頭が無い)
第3候補BPM:117(シンクロメインな上そもそもアイドルすら決めてなかった)
と候補があり、選ばれたのが第3候補でした。最大の決め手はミントガムPのブロマガに「未完成の飽きm@sterでもOK!」との記述があったのと、前日の投稿祭生に刺激を受けたことです。
乗るしかない、このビッグウェーブに。
◆各候補曲のBPMを調べたのは主な素材がMVな為です。ダンスシンクロ動画に魅了されたニコマス民として、やはり一度は挑戦したいですよね……という建前もありますが、実際の経緯を箇条書きにすると
よーし私も動画作ろう!短くてもいい!出来た動画が良い動画!!(まほうのことば)
→大体曲の長さはこんなもんかな……。始め方と終わり方が見えたら行ける気がしてきた!
→元ネタのカットインは4人、やはり担当アイドルは入れたい。よし、ユニット決めた!4人曲のかっこいいMVといえばマリオネット!!
……と安易に決めていったのですが、動画投稿時点で実装されてた曲のBPM、大体150以上なんですよね。マリオネットはなんと150、ハミバさんですら130あります。ぐっすりさんはまさかの125だそうです。
◆速度調整でなんとかなる事を祈りつつLonelyScreenとBandicamで録画しました。この時にBandicamの横幅を800にしていたので、Aviutlで編集する際も動画ファイルのZ値を800にしてから切ったり拡大したりをしてたのですが、投稿時点での推奨環境が30分以下だと1280×720以上だそうなので、別に720でも良かったような気がしなくもないです。あと縦幅を気持ち長めにしておくとMVにロゴを被せず録画できます。
素材は最初から最後まで全部同じ場所に置いておこう!
実際のMVを録画しながらカメラワークとアイドルの並びに気を付けつつ、同じ曲の配置違いを3本撮りました。今回使用したダンス素材はマリオネットだけです。我ながら無茶しました。.auqが2つあるのは片方が主に編集に使った方で、okと付いてるものが1回目の.aviを書き出した後、手直しに使った予備のコピーファイルだからです。全然OKじゃないな。
和訳の.txtは余力があれば動画に使おうかと考えていたのですが、今回は歌詞と動画内容がそれほどリンクしてなかった(あと時間も無かった)ためその内投コメで補間しようかな、と思ってたり。
【9/22追記】和訳付けました。一人称は歌っている方に合わせて「僕」にしました。「私」でも問題はないけれど、なんとなく読んだときの文字数を少なくしたかったので「僕」で。海外作品に触れる回数が増えてからというもの、翻訳家さんの大変さを改めて感じます。
律子が映っている.aviと.mp4はよく見ると色調が違うのですが、理由は後述。私のイチ推しジェムが映っている.mp4が今回の音源です。.lwiはいつの間にか生成されてました。名前からして1回目の.avi書き出しの際にできたものっぽいです。
(ユニット名08になってる……)仕様上1人増えてしまう枠は春香さんにお願いしました。動画ではラストの〆に陰だけ出演しています。今回のMVPです。春香さん選出の理由は
①短髪である(髪が長いと他メンバーのメイン時に写り込む可能性がある。)
②パーソナルカラーが赤である(ひなたと亜利沙も赤の近似色なので、手首や足元だけなら写り込んでも誤魔化せる。)
の2つ。当たり前な理由ですね。
あと撮ってから気づいたのですがオリメンで再生するとこのMV、美希と翼のアップが非常に多いです。なのでリーダーに律子、サブに担当アイドルであるひなたを配置した結果、美奈子と亜利沙の出番が若干減ってしまい(特に亜利沙)大変申し訳なくなり、今度からはちゃんと仮組を行おうと反省しました。担当Pの方、申し訳ありませんでした。
動画内では左から亜利沙、律子、ひなた、美奈子の並びになるように気を付けました。……が今回気付いたのですが、マリオネットのMVって途中に大胆な配置換えというか瞬間移動があるんですよね。なので動画でも亜利沙が律子とひなたの後ろに瞬間移動してたりします。
折角なのでPルージュで撮影したかったのですが、ご覧の通り亜利沙のPルージュがドロップできていないため、シャイニートリニティで撮影しました。
最終的なタイムラインはこんな感じ。なんとなく「日本語名で素材を保存すると不具合が出そう」という偏見から適当な名前をローマ字打ちしてますが、多分日本語で付けた方が動画が複雑になった際に分かりやすいと思うので、次からはそうします。
上から順に元ネタ動画、クレジット用のテキストオブジェクト、クリッピング用.png素材、クリッピング用の動画&画像ファイル、各MV動画、色調補正用の図形オブジェクトです。
元ネタ動画は音源の使用範囲を決めた後に念のためロックをかけています。ラスト付近に分割の跡があるのはイェエア!まで入れたかったからです。グループ化を解除して書き出しの際には動画部分を非表示にしてます。
今回はじめてAviutlのクリッピング機能を使いました。SAIのペン入れレイヤーはもはや図形描画専用ツールと化しています。クリッピング元の素材の色ってなんでもいいんですね。クリッピング用の動画ファイルが細切れになってるのは何となくです。中間点の方が良いんだろうかと思いながら「書き出した結果が一緒なら大丈夫だろう」と力技で押し切りました。律子のシーンだけ後半数秒が文字入りの.pngになってるのも同様の力技。この並びだとクレジットの文字が元ネタ通りに表示されなかったんですよね。こういうのにもちょっとずつ慣れていきたいです。
タイムライン晒しちゃうと分かるんですが前半2人はすこーしだけ動いてたのに、後半2人は静止画オンリーなんです。元はちゃんと直前の振りもあったんですが、編集してるうちにいつの間にか間違えて削除しちゃってた、もしくは不具合がでてそこだけ読み込めなくなったみたいです。
この不具合がでてそこだけ読み込めなくなったのが良いほうに作用してくれたのが、動画時間3秒辺りに一瞬だけ出てくるクレジットです。最初に組んでた時点では直後の亜利沙の振りの前のシーンを入れていたんですが、そのシーンは5人が横並びになるカメラワークなので、春香さんが一番奥に写り込んじゃってたんですよね。 どうしようかなぁと思いながら作業してたら突然そこだけ不具合で読み込めなくなったため、思い付きでクレジットを挿入しました。どこかに入れたいとは思っていたので結果オーライです。
各アイドルの役名クレジットは、Google翻訳を駆使して決めました。一瞬しか表示されない&動画内容と直接関係ないため、LTP09のジャケ絵やカードテキストが頭に入っている人向けのネタです。
折角シンクロに挑戦しようと始めた割には、なんだかおざなりになってしまった後半部分。とりあえず3つのダンス素材の春香さんが映っている箇所や律子とひなたが映りすぎてる部分をカットし、あれこれ組み換えたりテンポに合わせて再生速度を変えたり、最終的に「腕の上下が前のシーンと繋がってさえいればいい」という大雑把な判定で組んで完成したのが投稿動画です。シンクロって難しい!
ラストに表示されるロゴはチーズ屋P制作のものです。キラキラ感が非常にシアターっぽくて素敵だったので、色調変更を被せずに使用させていただきました。
前述の色調変更は生放送での紹介時に褒めていただき、とても嬉しかったです。SUのやさしい色合いを目指したかったのですが、私の技術では到底及ばず歯痒い思いをしていたため、試行錯誤が報われたように思えて有難かったです。読み方は「りんごあめ」で合ってます!
……で、その色調変更なんですが、例えばSAIのイラストだと一番上の新規レイヤーにバケツ塗りで好きな色を流した後、合成モードを変更するだけでできるじゃないですか。でもAviutlではどうしたらいいか分からなかったため、一番下のレイヤーにピンク色の図形オブジェクトを置いてめっちゃ拡大した後に合成モードをオーバーレイにするという方法で行いました。多分動画時間が長くなると重くて使えないんじゃないかなとか、かなり強引な力技な気がする、とは思ったんですけど「書き出した結果が一緒なら大丈夫だろう」の精神で押し切りました。誰か最適解を教えてください。
この力技のおかげで文字部分もちょっと滲んだレトロな感じになったのは嬉しい予想外でした。なんだか昔の映画のエンドロールっぽい。
こんな感じで動画を作った後、1度確認のため.aviを書き出したのですが元ネタ動画を拡大し忘れたまま位置合わせをしたためクリッピング素材の端が見えて見栄えが悪い事に気付いたため再度位置を合わせ直し、このタイミングで色調も変更しました。律子の色味が違う動画ファイルがあるのはそのためです。特にミステリーでも何でもなかった。
◆あとは書き出した.aviをつんでれんこでエンコード(新仕様は大文字のNを選択しよう)して、無事に投稿することができました。が、作るのに必死で動画タイトルを考えてませんでした。突貫工事もいいところです。特に捻りのないシンクロ挑戦動画だったため、検索避けも兼ねて曲名の直訳にした結果動画時間は37秒なのにタイトルが15分という意味の解らん事態になりました。
(2020年12月10日追記:動画タイトルを「もしも15分後に」と変更しました。説明文も少しだけ変えました。こっちの方が分かりやすいですね。)
サムネイルは「ユニット動画だから複数人が映ってるシーンを選ぼう」と直前まで考えていたのにひなたが出てきた瞬間右手が勝手にEnter押してました。右手のせいです。
◆最後になりましたが今回の企画主催のミントガムPさん、副主催のハバネロPさん、宣伝動画担当のCYANGEさん、ロゴ担当のチーズ屋Pさん、参加されたすべての方々、楽しい時間をありがとうございました。投稿する一歩を踏み出せたのは皆さまのおかげです。これからも少しずつ何かを作って精進していけたらいいなと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
スティーブンユニバースの45話を語らせてください。
◆スティーブンユニバースの為、2月にカートゥーンネットワークに加入して早半年。3月にやっと観ることができた第45話「ローズの剣」(原題:"Rose's Scabbard")がTwitterでの前評判通り衝撃的で、どうにか感想妄想考察をまとめたいと考え続けた結果とうとうはてなブログに登録する事になりました。
私のひと言で表すと「ヤバい…」で終わってしまうので、このアニメを知らない人にも分かりやすいように「どこがどうヤバいと感じたのか」を順を追って説明して行けたらいいなと思います。どうかお付き合いください。
【注意:日本未上陸のエピソードについても言及している為、日本国内の放送のみを追っている方には若干のネタバレがあります。】
◆物語の概要と登場キャラクター
記事を書き始めたのが今年の8月なのですが、この物語をどこから説明しようか悩んでいたところ日本CNがハイクオリティのダイジェスト動画を配信してくださったので、有り難くご紹介させていただきます。
(ただ1つマズかった箇所として動画後半でシーズン1クライマックスのネタバレが唐突に含まれていたので、上記の動画では該当シーンをカットさせていただいています。申し訳ありません。ネタバレ部分有りの公式版は上記動画の説明文リンクより飛んでください。)
◆45話の内容と感想妄想考察
5,000年以上前の地球で行われたジェム同士の戦争跡地へやって来たクリスタルジェムズ。「いつ必要になるかわからない」と言うガーネットの発案で、戦場に残された数々の武器を回収に来たのでした。そんな中ジェムズは、ピンクのライオンが掘り起こしたローズの剣の鞘を見つけます。ローズの私物が見つかりテンションMAXになったパールさんはいかにローズが素晴らしかったかを語ります。
ここの4人の反応の違い(かつての戦争に参加したガーネット、パールは驚く。戦後生まれのアメジスト、スティーブンは事情が分からず2人を見つめる)やパールさんの長台詞に呆れるアメジストも、一瞬なのに仕草が細かくて好きなシーンです。
帰宅後、パールさんはローズの剣の鞘を愛おしそうに見つめます。
可愛すぎません?
そしてスティーブンに「すごく勇気があって、とても賢くて…美しかった。」とローズについて話した後「あなたが持っておきなさい。」と鞘を渡し
「スティーブン、それは鞘だから。あなたのママの剣を収める為のね。それ以外のどんな剣も合わない。今までもこれからも、ずっと不完全なまま…。」
と話します。ここの台詞には鞘に自身の気持ちを重ねている様にも聞こえました。
この回の少し後の67話「チームメイト」では、パールさんは身勝手な理由から仲間を騙してしまい、その事を謝るシーンで身体が愛で出来ているガーネットの存在を「完璧なあなた」と語り「あたしはただのパールで1人じゃ何もできない。どうしたらいいか誰かに教えてほしいのよ。」とも話していました。
テーマソング完全版の歌詞やこの回の終盤でも「ローズの為に地球に残る」と発言する通りパールさんの生きていく、存在する為の1番の理由は『ローズの為に』です。ジェム達は遠い惑星からやって来た宇宙人なのに、こういう健気でいじらしい所が凄く人間っぽくて惹かれます。好きです。
◆人間という種に対しての理解度
スティーブンが「(鞘を)完全にしようよ。剣はどこ?」と尋ねたので、パールさんは他2人に内緒でワープして、スティーブンを「ローズがパールさんだけに教えてくれた秘密の武器庫」へと案内します。
「ここからたったの3時間で着くわ!垂直方向に登って行くだけよ。大丈夫そう?」
大丈夫なわけあるか
さて、一見ギャグシーンですが『ジェム(特にパールさん)は時間のとらえ方が人間と違う』描写や『ジェム達は人間の事をイマイチ理解できていない』シーンは今までにもありました。
例えば28話「宇宙をめざせ」では、納屋のガラクタを改造し即席の宇宙船を作り上げたパールさんは、夜中にこっそりスティーブンを乗せて空に飛び立ちましたが、騒音でグレッグにバレてしまいます。その際の通信機越しの会話が
パール「何も問題はないはずよ、一番近い星に行ってくるだけだから。50年後には戻ってくるわ。」
グレッグ「何!?50年後には私は死んでる!パール、今すぐ息子を戻せ!」
だったり(この後なんとか戻ってこれました。)
50話「動かす力」ではビーチシティを停電させてしまった際、苦情を言いに来た市長さんに
「大袈裟に騒がないで。人間は何千年も電気無しでやってきたんだから。狩りをしたりしてね。あれはどうなっちゃったの?」
と言ってしまったり(フォローを入れると、この時すでに故郷の惑星からの刺客が地球に迫っており、その対策に追われ停電に構っていられなかった。)
さらに日本未上陸の115話、なんとグレッグが故郷の惑星の統治者に宇宙へ攫われてしまう事件が起こったため、手に入れた宇宙船で救出に向かうのですが、船内での会話(私の意訳です)が
パール「えっと……今の速度だと……ヒューマン・ズーまで約70年かかるの!グレッグの110回目の生存記念日には間に合うわ!」
スティーブン「パール、僕のパパはそんなに長生きできるほど健康じゃないんだ。」
パール「それじゃあ……109歳までは長生きできそう?」
…だったり。こうして列挙してみると何気にグレッグ絡みのシーンが多いですね。(パールさんがあまり人間と交流しない、というのもあるのでしょうが。)
きっと100年もの歳月を短く感じるジェムズにとって、ローズが消えてしまってからの13年間はとても目まぐるしく、あっという間だったのだろうと思います。
ローズを敬愛するパールさんは、今でもローズさんが消えてしまった日の事を、つい昨日の出来事の様に感じているのかもしれません。
ともかく、本編が1話10分ほどしかないこのアニメに、ワープパッドという便利な設定があるにもかかわらず、直接武器庫へと行かず、わざわざこの会話を挿入したのは『ジェム達は人間の事をイマイチ理解できていない』ことを45話を観ている視聴者の頭の片隅に置いていてほしいという意図、配慮なのではないかと感じました。(もしくは後半のシリアス展開前の清涼剤?)
◆パールさんの自負心
スティーブンを背負い崖を登り始めたパールさんは、とても重要なことを話しています。
パール「あたしはローズの唯一の親友だったの!彼女の誰にも言えない秘密を聴くのが、あたしの役目だった!」
スティーブン「なんでそんなに秘密を持ってたの?」
パール「そうでなければ駄目なのよ!偉大なリーダーはみんなそうなの!守ろうとしている相手に何を隠さなきゃいけないか知ってる。…でもあたしは例外だった!ふふっ!」
58話「剣の誓い」や74話「愛がすべて」の回想では『ローズを守る為に進んで前線に飛び込んでいくパールさん』が描写されていました。また日本未上陸の98-99話(台詞は意訳です)で、とあるジェムに「君は誰に仕えているんだい?」と聞かれ「そんなの居ない!(Nobody!)」と自信をもって即答していました。
先の台詞からも読み取れるように、おそらくパールさんはローズと対等な存在で居たかったのだと思います。私はSUの視聴を始める前にYouTubeでテーマソング完全版を観ていたので、歌詞の先入観からてっきりパールさんはローズに仕えているのだと思い込んでいました。
なのでパールさんの「作られた目的としての『召使いのパール』ではなく、自分を自由にしてくれた『革命家のローズ』と肩を並べて生きてゆきたい。」と考えて行動する生き様にめっちゃ萌えました。好きです。
また私はこのシーンは物語の考察においても重要ではないかと考えています。
例えば日本未上陸の115話では、パールさんがかつて故郷の惑星に仕えていた事が判明しました。もし以前の主人もパールさんに「誰にも言えない秘密」を打ち明けていたのだとしたら、物語の終盤で起こってしまうであろう故郷の惑星軍との対決時、クリスタルジェムズは非常に大きなアドバンテージを得ている可能性があります。
……他にはスティーブンのあまりにピュアでピンポイントな質問で『もしやローズはそれほど重要でないことも(パールさんの自負心を満たすため)秘密と称して話していたのかも?』と少し穿った見方をしてしまったり……ここはちょっと考え過ぎかもしれません。
再度申し上げますが、このアニメは本編が1話10分ほどしかないため、キャラクターの台詞やシーン選択が非常に洗練されています。なのでキャラクターの一挙一動やふとした台詞に後の重要な伏線、布石が仕組まれていることが少なくありません。さらに大体のお話がその回単体でもストレス無く視聴できる様に細やかな配慮がされています。
このアニメは視聴者の予想を気持ち良く裏切ってくれます。考えすぎても飛び越えられます。(o・∇・o)<スゴイデス! だからみんなも考察しよう!
それにしても崖登りの3時間中ずっとパールさんの話に付き合っていたのかもしれないと思うと、スティーブンがめちゃめちゃいい子で泣けてきます。
◆パールさんのホログラム機能
目的地に到着したパールさんは自信たっぷりに「クリスタルジェムズの中でも自分しか知らない」秘密の武器庫を紹介します。しかしそこは18話「映画を観に行こう」でピンクのライオンがスティーブンを無理やり連れて来た洞窟と同じ場所だったのです。他の場所と間違えているんじゃない?と慌てて問うパールさんに、スティーブンがライオンの事を話すと彼女はとても驚きます。それもそのはず、ライオンの初登場回は10話「親友はライオン」であり、クリスタルジェムズに加入したのはつい最近の出来事なのですから。
この辺りから段々と雲行きが怪しくなっていきます。ちなみに現時点で本編は約4分程しか経過していません。
スティーブンが18話で覚えた通り、母から受け継いだジェムの力を使って武器を召喚し、自分で勝手に付けた名前を言う間、普段のパールさんなら優しく得意げに教えてくれたであろう知識をまるで自分の記憶を確かめるように、少しきつい表現をすると「スティーブン相手に自分のローズに関しての知識量を張り合うかのように」武器の名称を訂正し続けていました。
ひと通りの武器を紹介し終わったスティーブンは、ひと通りの訂正を終えたパールさんに「何を探すんだっけ?」と尋ねてしまいます。その途端パールさんは堰を切ったように
「剣を探すの!貴方のママの剣よ!?刃が真っ直ぐなピンクのサーベルで、柄の色は赤、薔薇の形の柄頭で、鍔には葡萄の蔦の模様……!」
と、剣の特徴をスラスラと語りながら額のジェムから映像を空中投影しました。
パールさんは一般的なジェム達同様にジェムから自分の武器を取り出せる他、そこからホログラム映像を投影したり、武器以外のアイテムを4次元ポケットの様に出し入れしたり、更には分身を複数作り自立行動させる能力を持っています。
ところが3話「チーズバーガーリュック」(公式無料本編なのでぜひ観てね!)では作戦の説明時、仲間と自身のホログラムを投影したのですが
ギャグシーンだとしてもここまで映像に差が出るものでしょうか?
(書いていて思い出しましたが、26話「海を取り戻せ」の序盤でもリアルなラピスラズリの立体映像を投影していましたね。やはりシリアス補正でしょうか。)
今回は単にパールさんのローズ関連の記憶力が凄いのか、はたまた彼女が常にローズの側にいたから覚えていたのか……。
話を戻し、45話では剣の説明後、スティーブンの「あぁ~それなら知ってる。」という台詞により一度帰宅することになりました。
◆揺らぐ根幹
帰宅後、玄関に集合したジェムズはスティーブンがライオンのたてがみから剣を取り出す所を見せてもらいました。みんなはローズとライオンの間にどんな関係があったのかと話し始めます。
パール「…でもローズはライオンなんて飼ってなかった。」
スティーブン「ここにママの物が入ってるみたい。」
パール「違うわ、ライオンなんて居なかった!もし居たらあたしが知らないはずないじゃないの!」
ガーネット「ローズが秘密にしていたことは、沢山あるからな。」
パール「でもあたしには違ったわ!あたしにだけは全て話してくれた!」
アメジスト「ローズのこと恋しいのはアンタだけじゃない!」
パール「あなた達に、あたしの気持ちが分かるもんですか!ローズとは特別な関係だったんだから!」
スティーブン「きっとママはパールの事も守りたかったんだよ。」
ちなみに測定したところ言い争いはキッチリ30秒でした。
残念な事にパールさんが取り乱すまでの他3人の台詞は全てパールさんの築いてきたアイディンティティを揺らがせてしまう物ばかりでした。このアニメは本当に台詞の取捨選択が洗練されていると思います。
ガーネットとアメジストの台詞では「ローズに自分の知らない一面がある」という、普通なら当たり前のような事も、立て続けショックを受けている彼女にはきっと辛いものだったのでしょうし、まさかつい最近チームに加入したポッと出のライオンが「自分の知らないローズ」を知っているなんて思いもしなかったのだと思います。
ここが1番辛かったのですが、スティーブンの言った「きっとママはパールの事も守りたかったんだよ。」と言う台詞は、ついさっき崖を登る最中にパールさんが話した内容を受けた、とても思いやりのある発言だと思います。
しかし直前まで怒涛の台詞と展開で精神的に追い詰められた上「ローズと対等な存在で居たかった」彼女にとっては「私はローズに守られていた弱い存在だったのではないか」「私はローズの心からの信頼を得られていなかったのではないか」という疑念を抱かせるトドメの台詞になってしまいました。
最初の方に書いた通りパールさんの存在理由はローズであり、「自分はローズに守られるような弱い存在で在りたくない」と考えています。自分の根幹を揺らがされたパールさんは、ついにスティーブンに対し
「あなたに何が分かるの!?会ったこともないくせに!」
と言い放ちます。故意ではありませんが心を傷つけられ続けたパールさんは、自分の受けたショックと同量以上の痛みをはね返すように、スティーブンが最も傷付く部分に言及してしまいました。
私はかつて14話「ラースとクールな仲間達」で友達にローズの事を悪く言われたスティーブンが
「お前にママの何が分かる!?息子の僕にも分からないんだぞ!」
と怒鳴ったシーンを観ているので、このパールさんの台詞は思わずテレビの前で絶叫してしまうほど衝撃的でした。ご近所からクレームが来なくて良かった。
さらに日本未上陸の120話(台詞は意訳です)、家族が家を空けている際に、スティーブンはローズの部屋で一人
「いつも聞かされていた『素晴らしいママ』に近づけるように、どれだけの努力が必要か常に考えていた。」
「髪をピンクに染めようかと何度も考えた。」
と胸の内を吐露していました。
ローズが消えてしまった事をスティーブンが気にしていない訳がないと、彼女自身分かっていたはずなのに、それでも言わずにはいられなかった程に余裕が無かったのかと考えると胸が痛みます。
先述の台詞を放ったあとにパールさんが壁を殴った衝撃で、玄関に飾ってあるローズの肖像画が彼女の頭上に落ちてきました。この一連のシーンは秘密の武器庫から帰宅した直後なので、通常ならワープパッドの側でスティーブンが剣を取り出すのが自然な流れのはずです。
アニメの演出的な話になりますが、私にはパールさんの上にローズの肖像画を落とすためだけに、わざわざこのシーンの舞台を玄関に設定した様に感じられました。また落ちて来た肖像画を見て『きっとこの場にローズが居たら、今の台詞を聞いてパールさんに手を上げてしまっているんだろうな。』とも感じました。最もローズが今もクリスタルジェムズに居れば、こんな言い争いは起こりもしなかったのだろうとは思いますが……。
幸いガーネットが受け止めたお陰で肖像画もみんなも無事でしたが、我に帰ったパールさんは直前の出来事を思い出し、ワープパッドに向かって駆け出してしまいました。ワープ後に「どこへ行ったの?」と言うスティーブンにアメジストが「知るか!アイツこうなると最悪なんだ。」と言った事から察するに、今回のようなローズ関連の言い争いは、今日が初めてでは無いのだと思います。
ライオンにはパールさんの居場所に心当たりがあるようです。スティーブンはライオンと共に彼女を探しに行くことにしました。ガーネットには予知能力があるので、おそらくこの後の展開が見えていたのでしょう。後を追う1人と1匹の背中に「頑張れよ。」とだけ呟き、物語は終盤を迎えます。
◆表情と感情
ライオンが連れて来てくれたのは冒頭で訪れた戦場でした。パールさんはそこでローズの剣を抱き締め俯いていましたが、スティーブンとライオンが来た事に気付き慌てて逃げ出します。「そいつをあたしに近づかせないで!」と言いながら走っていたので正体不明のライオンをどう受け入れたらいいのか、この時点ではまだ心の整理が付いていなかったのでしょう。
パールさんは更に追いつかれないよう空の浮島へと飛び移ります。スティーブンは彼女を安心させるため、ライオンを置いて自力で浮島へとジャンプして後を追います。この間スティーブンはパールさんに呼び掛けつつ不安定な足場をサンダルでジャンプしたため何度も体勢を崩しかけます。
それでもなお振り返らず逃げ続けるパールさんは、ひときわ大きな浮島に辿り着き背を向けたまま「こっちにこないでってば!」と叫びます。「パール!僕なにか悪い事したの?だったらそう言ってよ!」という呼びかけにも答えなかったため、とうとうスティーブンは彼女の居る遠くの浮島へとジャンプします。その瞬間振り返ったパールさんの顔は
ひと言で形容するにはあまりにも難しい表情をしていました。私の主観だけで書くと「複数の感情が入り混じった表情」のように見えました。
カートゥーンでなくともアニメキャラの表情というものはお話を分かりやすく、視聴者が登場人物の気持ちを受け取りやすくするために、大抵分かりやすい記号の組み合わせで描かれています。これはポーズや仕草、振りに対しても同じことが言えます。
そして今回の表情は、吊り上がった眉、大きく見開いた目、食いしばった歯、の3つの要素で構成されています。それぞれの慣用句にもあるように一般的な意味は、怒り、驚き、悔しさと見事にバラバラです。
この直後、ジャンプの飛距離が足りなかったスティーブンは浮島に届かず落下してしまうのですが、その時にもパールさんの表情が確認できます。
この時も目は見開いたままなので、恐らく目元にはスティーブンがこの浮島まで自力でやって来ていた事に対する驚きが表れていたのだと思います。だとすると残り2つの眉と口には、スティーブンがやって来ている事を知る直前までの気持ちが表れているのではないでしょうか。そして恐らくそれはスティーブンに酷い事を言ってしまった自分に対しての怒りと、この世界にローズが居ない事に対する悔しさなのではないかと受け取りました。
ですがこの推測は数秒後に吹っ飛ぶ事になります。飛距離が足りずに落下してしまったスティーブンは浮島に生えていた蔦を掴み、間一髪のところで落ちずに済みました。ですがパールさんは上から一連の出来事を見ていたのにも関わらず、スティーブンを助けに行かず頭を引っ込めてしまうのです。
かつて12話「ジャイアント・ウーマン」では同じく浮島から落下したスティーブンをアメジストと共に救出していただけに「どうしてこのシーンでは助けに行かないんだろう?」と、正直記事を書いている今でも疑問が消えません。
今回はアメジストに協力してもらえないから?
未来の危機を察知したガーネットが来ていないので大丈夫だと思ったから?
人間の能力の限界をうっかり忘れてしまっていたから?
それとも助けようと手を伸ばそうにも遠すぎたから?
……あまり断定したくはないのですが、私はもしかしたらこの瞬間、ほんの一瞬であっても「スティーブンがこのまま消えてしまえばいい」と考えてしまったのかもしれないと受け取ってしまいました。自力で蔦を登りきったスティーブンが見たのはローズの剣を傍らに、胸を押さえて顔を覆うパールさんの後ろ姿でした。
私はこの仕草から彼女の心の痛みとショックの大きさ、恥ずかしさを受け取りました。もしも前述の私の考えが間違っていないのだとしたら、パールさんは自分の内から湧き出した感情が恐ろしくなり、足が竦んでしまい、助けに行く事ができなくなったのではないでしょうか。
◆パールさんによる過去回想
蔦を這い上がってきたスティーブンは、初めはむくれた声で呼びかけるのですが(助けに来てくれなかったので当たり前っちゃあ当たり前ですが)意気消沈しているパールさんを見るなりすぐに彼女を心配して「どうしたの?話してよ。」と言うのです。人間として立派すぎて本当にこの時点で13歳なのかと思わず疑ってしまいました。
その言葉を受けてパールさんはついに、ぽつりぽつりと語り始めます。
「時々、あなたがローズに思えるの。」
「此処を思い出せる?ローズの事を何か覚えてる?」
「あたしたちは、5,000年以上前に此処に居た。」
スティーブンに語りかけながら額のジェムから投影したホログラムはかつてのローズの姿でした。そしてそのまま過去の記憶の再現を始めます。
ローズ「私は此処に残り、この星のために戦う。あなたは私に付き合うことないわ。」
パール「あたしは残りたいんです!」
ローズ「そう言うと思った。でもお願いだから解って頂戴。私たちは負けたら滅ぼされる。でも勝ったら、もう二度と故郷へ戻れない。」
パール「あなたが此処に居るなら、戻れなくていい。」
この一連のシーンの個人的に特筆すべき所は、一般的なアニメのように場面転換が起こり、記憶の中の映像が再生されるのではなく、場面はそのままで、パールさんが一人二役で台詞を当ててまで、2人の過去を客観的な視点から映していないという点です。
というのも、実はクリスタルジェムズの中でもローズとパールさんだけ、シーズン5の132話に至るまで、未だ詳細な生い立ちが明かされていないのです。アメジストの生まれは40話「旅に出よう」で本人の口から話され、その後未上陸の118話にて裏付けが取れています。ガーネットの生い立ちは74話「愛がすべて」にて場面転換 =(ここでは第三者から見た映像という演出的な意味と定義します)付きで語られています。
未上陸の98-99話において、とあるジェムがローズとの思い出をスティーブンに何度か話す際にも決して場面転換が起きず、ローズの過去の様子が映像として視聴者に明かされる事はありませんでした。これに関しては暴論を承知で書くと視聴者に「ここは信じてもいい箇所ですよ」と伝える演出をあえて入れていない様にも感じてしまいました。
またグレッグがローズとの馴れ初めを話す48話「パパの青春」や日本未上陸の過去回である94話では場面転換が入り、終盤まで一貫して第三者の視点からの映像になっている事も、この妄想の一因になっています。
このシーンではパールさんが5,000年前のローズの言葉と行動を一字一句一挙一動完璧に覚えており、かつ1人で完璧に再現できるという狂気にも似た愛を目の当たりにしたというだけでなく、この記憶自体が本当にあった出来事なのかすらも疑う事ができる演出に思えてしまいました。
もう1つこの暴論の裏付け、と言ったら大仰ですが故郷の惑星の『召使いとしてのパール』を所持する権力者は、従者に対し「パール」と呼びかけているのですが、今回の回想内でローズはパールさんに向かって「私のパール」と呼びかけているようなのです。
しかし作中でローズが「私のパール」と発言したのは後にも先にもこれっきりなんですよね。(132話放送時点での話です。)
勿論ここに関してはクリスタルジェムズとしての活動中に「私のパール」と呼びかける事でチームの輪が乱れるのを避けて特別な時にしか使わなかったとか、そもそもローズが登場して喋る回自体が少ないとか、パールさんはローズに仕えている訳ではないので故郷の権力者と同じ呼び方をする必要は無いなど、反論要素はいくらでもあります。上位世界の魔女から探偵宣言が出されていないとキャラクターの主観を永遠に疑い続けてしまう癖を辞めたい。
流石にこの考え方にはあまりにも愛が無いため、私はパールさんの回想は実際の出来事だったと信じたいです。あくまでも「そういう風にも見えるね」ってだけの話なので、ただ私が必要以上に深読みし過ぎた結果の産物でしかありません。
続くシーンではホログラムのローズが「私のパール」と言いながら、彼女へ手を差し伸べます。パールさんは「あなたは素晴らしい…」と言いながらその手を取るのですが、触れた瞬間ホログラムは消えてしまいます。
余談ですが私はここだけ繰り返し観ている内に、一連の再現は力の無い笑みや小さなため息に至るまで全てパールさんが台詞を発しているため、この最後の台詞だけどちらが発しているのか分からなくなってしまった事がありました。普通に考えてパールさんだとは思いますが。
言語版の台詞も確認したのですが、 "You're wonderful..." のみでした。文脈的にはどちらの台詞とも取れるので、今回は演出面から判断したいと思います。
ホログラムを出した後、引用台詞の直前まではパールさんとホログラムのローズの2人が一緒に画面に映り、同時に口を動かしていました。(=台詞は全てパールさんが喋っていますよ、という説明演出)
ですが「私は此処に残り〜〜」以降は台詞を発したとされるキャラクターしか映らないように画面が構成されています。なので「あなたは素晴らしい…」は該当シーンでメインに写っているパールさんの台詞だと判断しました。
ここのシーンが本当に凄いと感じるのは、パールさんが記憶の再演をしているのに彼女自身、目の前に居るホログラムを本物のローズの様に認識している点です。(だから差し伸べられた手を見て本当に驚いた顔をするし、触れた事で消えてしまったホログラムを見てようやく我に帰る。)
私はこの過去と現在が曖昧になる演出が、「これはどちらの台詞なんだろう」と考えた過程と重なって、まるで目の前のローズが本物なのか曖昧になっているパールさんの気持ちを追体験しているように思えてゾッとしてしまいました。流石に監督のレベッカ・シュガーさんもこんな捻くれた見方をする視聴者の事までは考えていないと思うのですが、正直なところ神の手の平で踊り狂うのはめちゃめちゃ楽しいです。(余談はここまで)
◆スティーブンの気持ち
ホログラムが消え、パールさんは再び語り出します。
「全てローズの為に、やった事だったの。」
「彼女は消えたのに、あたしはまだ此処に居る。」
「ローズが、あなたの目を通して、あたしを見てる気がするの。
…今のあたしをどう思っているかしら。」
玄関での一件のあと、彼はどんな気持ちで彼女を追いかけて来たのでしょう。
母親の様に感じている存在から、故意ではありませんが酷い事を言われてしまった時の気持ち、それでも目に涙を溜めながら「大丈夫かな」と彼女を心配していた時の気持ち、彼女を探そうと決意した時、彼女を追いかけていた時、浮島から落ちそうになった時、彼女の記憶を聴いた時の気持ち。
スティーブンは彼女の背を見つめ、何度か考え、そして伝えます。
「きっと、立派だと思ってるよ。」
それはおそらくパールさんが何よりも言って欲しかった言葉。
そしてきっと、常にローズさんが思っていた気持ちに他ならないと思います。
この後から台詞は一切なく、EDまで家に帰るまでのやり取りと美しいBGMが合わさった優しい時間が流れます。ここまでウダウダ書いてきましたがぶっちゃけ一度視聴していただいた方が遥かに素晴らしい体験ができます。
ライオンのたてがみの中へローズの剣をお片付けする2人。この時にパールも一緒に、という風に手を重ねるスティーブンが本当に素敵です。
たてがみから取り出したマジックセットを彼女に着けてあげるスティーブン。
スティーブンが見つけたローズの御旗を片手に過去の思い出を話すパールさん。
そして少しだけ不穏なラスト。朝焼けを背景に2人と1匹で帰る構図自体はこの上なく美しいのに、まだ若干空が暗い事と一度だけちらりとスティーブンに視線を向けるパールさん、さらに星マークで〆るいつもの終わり方でなくブラックアウトでEDへ入る演出から、まだこの出来事は終わっていないんだよと暗示しているかの様に感じられました。
ではこのお話はどの回に続いているのでしょう?
このアニメの素晴らしいところは数え切れないほどあるのですが、中でも小物の使い方が秀逸という点が挙げられます。45話のラストでは唐突にシルクハットが出てきます。このシルクハット、これ以降は物語に全然出てこないと思っていたのですが、
2017年のエミー賞にノミネートされ、全世界のファンから絶大な人気を誇るエピソード86話「ミスターグレッグ」 でこれでもかと登場していました。(日本では放送順の関係で87話とナンバリングされています)
内容から見て、まず間違いなく45話と86話は意識して制作されたと言ってしまって良いかもしれませんね。(86話も語り出すと止まらなくなってしまうので割愛します。)
◆最後に総括
ここまで破茶滅茶に長い妄想たっぷりの怪文書を読破していただいたあなた。お疲れ様でした!
本当は11月3日のスティーブン・ユニバース音楽祭までに書き上げたかったのですが、力が及ばず申し訳ありません。
ですが!!カートゥーンネットワークに加入すればSU始めとする素晴らしい海外アニメを視聴・録画できますので!!
この文章を読む体力をCN加入のお電話に使った方が遥かに今後の人生が豊かになります!!これだけは自信を持って断言できます!!
改めてここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
スティーブン・ユニバースは最高!!